新ひだかソーラーパーク - プロジェクト紹介 -

新ひだかソーラーパークプロジェクトメガソーラー事業

弊社は、太陽光発電システムにおいて高い技術と豊富な経験を持ち、開発からE.P.C、運用・保守管理、売電事業までワンストップで行なうことで太陽光発電システムの普及拡大に取組んでおります。これまで全ての部署が連携することで様々なプロジェクトを成功させてきました。国内初となる大規模蓄電池を備えるという新たな取り組み「新ひだかソーラーパークプロジェクト」のご紹介です。

プロジェクトメンバー

  • プロジェクトリーダ 手塚 裕士
  • プロジェクト開発部 菅原 康太
  • 電力技術部 森 裕一
  • 土木技術部 平野 隼也
  • 購買部 福島 貴光
  • 営業管理 乾 喬博
  • 営業管理 高木 裕美
  • O&M 宮津 佳彰
メガソーラープロジェクト導入事例

太陽光発電所の完成までには、企画・開発業務として、非常に多岐にわたる業務があります。用地取得、経済産業省・電力会社との協議、各種開発法令・許認可の取得、地域住民の方のご理解を得る事、出資パートナーや金融機関からの資金調達。それらを経てようやく建設工事のフェーズにうつり、当社はスーパーバイザーとして工事・設計の品質等を監理します。十分な試験を行い、いよいよ20年の売電事業を開始し、最高のパフォーマンスを維持できるよう当社は保守管理を行います。 スマートソーラーは、北海道から九州まで、様々な規模のメガソーラーの開発・建設監理・運営を行っています。

STAGE 1プロジェクトの企画から開発期間:1年~5年

「想い」を込めることで、難しいプロジェクトも実現できるプロジェクトリーダー 手塚 裕士 / 2013入社

プロジェクトリーダーの役割を一言でいえば、会社の理念や方針をチームに浸透させ、それを形にする、そして取引先・関係者にしっかりと伝えていくということです。ひだかのプロジェクトは、国内初となる大規模蓄電池を備えるという新たな取り組み、そして北海道電力のルール上、非常に厳しい発電出力変動抑制に耐えうる大規模な蓄電池の設置とその制御技術が要求されました。これは技術力だけでなく、投資パートナーや金融機関の納得を得るためには、十分な収益を上げられるコスト構造を打ち出す必要がありました。そのために、すべての部署が一丸となって、設計力、技術開発力、調達力を結集させた結果、実現に至ったのです。専門分野も立場も異なるメンバーを一つにまとめるために、何よりも大切なのは「想い」です。当社の社是は「想いが事を成す」。考え抜き、想いを高め、潜在意識に透徹する強い信念を持てば、その思考は必ず実現する、という考え方です。これは、当社の代表から何度となく社員へ伝えられています。私はプロジェクトリーダーとして、まず自分が想いを込める。そしてメンバーに本気で語る。「こんなものでいいかぁ」ではなく、「本当にこれでいいのか」という自問自答を繰り返します。そのように「想い」を強く持てる人が、これからのプロジェクトを担い、自分自身も会社も成長させられると思います。

01パートナーからの用地又は
権利付プロジェクトの紹介

プロジェクトの企画は、土地の紹介を受ける。あるいは既に設備認定や電力会社との協議が行われたプロジェクトの紹介を受けるところから始まります。
土地や権利関係に精通したプロジェクト開発課、土木設計・施工に精通した技術者、太陽光発電システム設計・施工に何百MWと携わってきた熟練のエンジニアがその土地の地形や自然環境からどんな発電所が建設できるか構想を練ります。

02PJデューデリジェンス
(案件精査)

現地調査を行い、構想にさらに磨きをかけるとともに、垂直統合型デベロッパーとしての強みを生かし、各部門がプロジェクトに潜むリスクや、建設コストとプロジェクトの採算性を評価します。
プロジェクト開発課では、土地の謄本や地域ごとに定められた法規制等を調査し、我々の構想が実現可能かどうか、設備認定や電力会社との協議状況や設計内容が実現可能なプランなのかを綿密に調べ上げます。
電力技術部・土木技術部のエンジニアは、豊かな経験をもとに、より優れた設計を行い、安全面だけではなく収益性の高いプロジェクトを検討し、プロジェクト評価を行います。

あらゆる法令・規則を隅々まで精査。プロジェクトに「GO」を告げるプロジェクト開発部 菅原 康太 / 2017年入社

私たちはお客様からのご要望やご相談を真っ先に受け取る部門。だからこそ、多くの情報を集め、「判断ミス」をしないことを肝に銘じています。工事がスタートしてから「法令上、これはできなかった」と判明することはあってはなりません。開発に関わる法令や規定は地域によって、また対象案件の立地によって異なります。スマートソーラーは、北海道から九州までさまざまな地域でのプロジェクトを手がけた実績から、あらゆるケースに対処しノウハウを蓄積してきました。それらをベースに「この点は問題ないか」と、多角的な視点から可能性を想定できることが強み。デューデリジェンスにおいても、多くの会社では外部の専門弁護士に依頼することが多い中、当社ではすべて自社で完結させることができるためで、コストとスピードにおいて投資パートナーさんに評価いただいています。あらゆる法令、デューデリジェンスに必要な項目を調べ上げて行った結果、「できる」と確信できた瞬間が何よりの喜びであり、この仕事のやりがいですね。

菅原 康太のINTERVIEW

03土地・権利の取得

プロジェクト開発課は、我々の構想が実現できると確信を得たあとに、土地や権利(設備認定・電力会社)の契約を行い、権利を確保します。

04SS仕様の基本設計

経験豊富なエンジニアは、初期計画で描いた構想を再度、細部にわたり検討し、最小のコストで最大の発電量を得られる設計を行います。

05許認可取得できる
土木基本設計

“最高の太陽光発電所”をイメージした土木設計構想を描き、設計コンサルとともに許認可を取得します。

06電力への接続検討申請・契約

これまで数百メガの申請を行ってきたエンジニアが、それぞれ異なった規定を持つ大手電力会社10社に対し、低圧から特別高圧だけでなく、世界で最も厳しい蓄電池制御基準を掲げる北海道電力への申請もスピーディーに対応します。

発電効果を最大限に高めるシステムを。設計から施工管理まで一貫して手がける電力システム技術部 森 裕一 / 2013年入社

電力技術部は、「いかに収益性が高い発電所をつくるか」を念頭に、基本設計から機器の選定、施工管理までを手がけます。太陽光パネルは、一見ただ並べているだけに見えますが、上段・下段それぞれの組み方によって日射量が変わり、発電効率が大きく変わってくるのです。いかにその土地の地形・地盤・日照条件などにマッチした設計ができるかが腕の見せどころです。太陽光発電量は日中でも太陽に雲が掛かれば出力は一気に落ちますが、ひだかプロジェクトでは、その変動率を通常より低く抑えることが求められました。変動を抑制しつつ、また、日本最大規模のリチウム蓄電池とその制御システムの開発・導入という新たなチャレンジも行いました。100ヘクタール・東京ドーム20個分という広大な土地に、自分たちが設計したものが形になり、6500にのぼる世帯に電力を届けられる。何十億円というプロジェクトだけにプレッシャーもありますが、完成した姿を見られる喜びは、エンジニアとして何ものにも代えがたいものです。

森 裕一のINTERVIEW

その土地ならではの自然環境に配慮。災害リスクを防ぎ、共存を実現する土木技術部 平野 隼也 / 2014年入社

土木設計を行うにあたっては、その土地の地形や自然をふまえた配慮が必要です。例えば、発電所敷地内に降った雨水の処理。河川への流入量が規制される場合、池やダムを造成することもあります。木を伐採した場合は、新たにその土地に適した樹木を植えることも。ひだかの場合、建設地はゴルフ場の跡地でした。起伏があるわけですが、コストを抑えるために元の地形をそのまま利用。想定以上に雨が降ると泥流が発生することもあるため、その形状での排水計画などに工夫を凝らしました。自然が相手なので、工事が始まってから想定外のことが起きることもあります。多いときで1日に150人もの施工スタッフが稼働しているので、工事を滞らせないよう、都度スピーディな判断力が求められる仕事でもあります。土木のエンジニアは、一般的に開発者の依頼を受けて土地造成などを行い、あとは建設会社にバトンタッチすることが多いのですが、当社では構想段階から、基本計画~設計~施工と、完成まで一貫して携われるのがおもしろいところです。

平野 隼也のINTERVIEW

07メーカーとの仕様の詰め

調達するだけでなく、“こんなものがあったらもっと良い発電所になる”を形にし、新たな商品開発も行います。

08システム建設仕様書作成

土木設計においては、造成計画図、縦横断図、排水計画図、横断管渠工詳細図など100枚以上の図面と数量計算書、地質調査結果などを仕様書にまとめます。
電気技術者は、単線結線図、システム構成図、遠隔監視システム構成に各機器の仕様書を加え、最大の発電量を得るための施工条件を記載した仕様書を作成します。
システム建設にあたっては、熟練のエンジニアが最小のコストで最高の発電量を得るための基本仕様書を仕上げ、EPC業者に渡します。

09建設費FIX

土地の取得から発電所完成後の保守・メンテナンス費用まで試算し、長年の経験から導き出した係数を使い、独自の発電電力量のシミュレーションを行います。
これにより収益性を確認し、最小のコストで最大の利益を得る仕組みを作っています。

機器に施工業者。コストと品質を見極め、最善の発注先を選び出す福島 貴光 / 2017年入社

メガソーラーを建設するための使用機器の購入をはじめ、土木工事、太陽光パネル設置工事費用、電気設備工事といった費用について、複数の専門業者から見積もりを取り、比較するのが主な役割です。電力技術部や土木技術部の意見を吸い上げつつ、「求める条件を満たしているか」「コストと品質のバランスは」などのポイントを見極め、どの業者さんに依頼するかを決定しています。常に意識しているのはスケジュール管理。納入希望時期から逆算し、見積もりを取る期限、検討・決定する期限、発注する期限、また経理処理上、仕入に計上する期限や支払い期限など、常に進捗状況を意識しながら進めています。設計や施工の時期をふまえ、技術部門に対し「この日までに仕様決定会議を終えてください」などと働きかけることで、「納期に間に合わない」といった事態を防ぐ。そのためにも、一歩先を読んで、先手を打っていくのです。プロジェクトを円滑に進めるために、なくてはならない役割だと自負しています。

10EPC業者選定

日本中の大手EPC会社と綿密に工事の詳細まで協議し、プライス、品質、各社の強みを総合的に判断し、EPC会社を選定します。

11投資パートナーとの協議

数十億、時には100億を超えるプロジェクトに関しては、自社だけではなく、投資パートナーと共同事業を行います。日本中に再生可能エネルギーが普及し、人々がサステナブルに暮らせるより良い世界を作りたいと願うパートナーとプロジェクトを共同で実現します。

12プロジェクトファイナンスによる
資金調達

自社の信用による調達をはじめ、地方銀行・メガバンク・投資銀行とのプロジェクトファイナンス、リース会社からの資金調達など、様々な方法で資金調達を行っています。

日々の売上、キャッシュフローを管理。各部署と連携して、課題を解決する営業管理 高木 裕美 / 2017年入社
乾 喬博 / 2017年入社

各プロジェクトの売上の管理、債権管理、進捗管理を行っています。権利、機器類の卸販売、工事期間中のスーパーバイジング(監理)、発電所完成後の保守管理といった売上の管理、キャッシュフローの管理、それらにまつわる契約業務を担います。ひだかのように新しいシステムを導入するプロジェクトの場合、追加の機器・部品が入ってきたり、スケジュールが予定よりずれ込んだりと、予期せぬことも起きます。各部署と密接に連携し、すばやく情報収集するという動きが重要ですね。また、定期的に全部署を集めたコンカレントエンジニアリングを実現する会議を開き、今起きている問題を洗い出し、スピーディーに解決に取り組んでいきます。この仕事で大切だと思うのは、目先のことにとらわれず、広い視野を持って全体を俯瞰すること、複数の思考を同時に走らせるということ。それによって臨機応変な対応もできるようになります。当社は風通しの良い環境で、通常なら経営幹部しか見られないような大切な契約書のチェックも任されるので、「経営」に関わり、学べているという実感も味わえます。

高木 裕美のINTERVIEW

STAGE 2EPC(設計・調達・建設)期間:半年~3年

開発段階が終わったら、E.P.Cのフェーズに移ります。システムや基材の設計、資金や資材の調達、そしてそれらを組み合わせる建設。現在ではかなり普及しているメガソーラーでも、開発とE.P.Cで異なる業者が担うケースが一般的ですが、スマートソーラーは基本設計を行い、EPCによる実施設計を監理し、主要機材の調達を行い、パートナーが納得するコスト、品質を実現しています。

13EPC契約・着工

発電所の建設時に大手電気工事会社とEPC契約を締結します。
EPC業者に基本設計を確実に実施設計に落とし込んでもらうため、基本設計のコンセプトを完全に理解してもらえるよう促します。
EPC業者をサポートしつつ、EPCの実施設計の監理、機器の調達、建設を進めることで“最高の太陽光発電所”の完成を目指します。

14主要機器の調達

パネル、架台、接続箱、PCS、特高受変電設備(高圧受電盤)などの主要機器は、エンジニア達が複数のメーカーと協議し、比較・検討して決定しているため、個々の機器の仕様を十分に理解しています。
メーカーが製作に至るまでの詳細仕様書・詳細図面の確認を行い、ケーブルの取り合い・据付方法をEPCと調整します。搬入ルートなどをEPCと調整することで、入荷・受入までの流れをスムーズにしています。

15監理(スーパーバイザー)

土地の取得から主要機器の選定・基本設計まで把握しているスーパーバイザー(SV)が、監理者としてEPC業者の施工をポイントごとに確認します。
垂直統合型デベロッパーとしての目線で近隣住民の情報を伝え、建設中の近隣トラブルを未然に防止することもあります。
電力協議・経産局にもEPCと一緒に出向き、全てを把握することにより、安全でミスなく完工できる仕組みにしています。

STAGE 3完工からO&M期間:20年

売電事業は工事が完了してからが本番です。
異常発⽣の有無や運転パフォーマンスなどの監視・分析をし、長期間安定した発電所運営を担います。運転状況を見える化し、故障や異常の早期検知による保全を通じ、高稼働率での運用を行っています。

16O&M開始

垂直統合型デベロッパーとして土地の取得から建設まで関わっているため、発電所の中身を詳細に理解していることが保守・メンテナンスの強みとなります。
特別高圧の発電所は、草刈りや冬場の雪かき等のメンテナンスも容易ではありません。開発当初から土地の事情、設計内容を把握しているため、現地駐在の作業員の確保の準備を事前に済ませ、各機器の詳細な点検項目を洗い出せることが最大の特徴です。

発電所を見守り、トラブルに対処。データ評価・分析をもとに提案もO&M 宮津 佳彰 / 2014年入社

O&Mの役割は、発電所完成後の保守・管理。日々、各発電所の運転状況や発電状況を見守り、問題が起きたら対処しています。多いケースとして、日射があるにも関わらず発電量が落ちることがある。現場から報告を受けたら原因解明を行い、機器メーカーに修理を依頼するなどの対策を取るのです。また、月間・年間の発電データをもとに評価や分析を行い、それにもとづいてメンテナンス方法などの提案も行っていきます。発電所の日々の点検項目は100数十項目にも及びます。ひだかの場合は、新たなシステムを導入しているため機器の種類が多く、規模も従来の10倍に達することから、点検項目も多い。限られたスタッフ数で確実に遂行できるような仕組みを構築し、データで管理してリアルタイムに状況がつかめるよう、日々改善を続けていきます。問題が起きた後に対処するだけでなく、問題の早期発見、未然防止につながるような仕組みを考え、体制を構築していくのが、やりがいを感じるところです。

プロジェクト後記

2014年夏に立ち上がった新ひだかソーラーパークプロジェクト。当初は動き出しては振り出しに戻る…を繰り返しながらも、賛同いただけるパートナーを得て、3年半かけて完成に至りました。この間、地元住民の方々からは「早く稼働してほしい」と、期待と励ましの声をかけていただきました。その声に応え、総勢1000人に達するメンバーたちが力を合わせることで、実現できたのです。初めてのチャレンジを成功させた経験、そこで培われたノウハウは私たちの新たな財産となりました。この財産を、メガソーラーだけでなく、エネルギーの地産地消を中心とした日本の新たな姿に、人々に還元していきたいと思います。